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ピアノを私が教えさせていただくにあたって
何を身につけていただきたくて、どういう風に最終的に到達していただきたいか。少しつらつらと書いてまとめてみようかなと、ちょっと書いてみます。

まずは正しい奏法を身につけていただきたいです
なぜなら。。。。

体の仕組みに反した無理な動き、脱力が正しくできていない状態で指や腕を使って弾く→
スムーズに動かしにくい→
無理に調節してしまう/思ったように弾けない→
筋を痛めてしまう/音色の調節ができない、音が汚くなる→
痛いから弾かなくなる/良い音がわからない、またはわかるから汚い音で弾いても美しくないから嫌になる、思い通りに動かせないから難しい曲に入ると弾けなくなる

そうならないためにも、最初の段階から、1音を正しく脱力した状態で打鍵できるように
美しい音を目指して響を良く聴き、音楽を奏でるという事を意識して弾けるように、と考えてます。
(そのために使用してるのが、松田先生のテキスト、ピアノレッスンシリーズです)
まずは、それが一番ピアノを弾くには必要だと思っています。

最初は1音づつ。次は1音づつ右と左の交互で。。
ピアノをやっていたことのあるお母さんや、どんどんと難しい曲を小さいながらに弾くことが
良いと思われるお家の方がいらっしゃったら、もしかしたら
「なぜこんな簡単なことを、しつこくやるのかな?一体本当に弾けるようになるのかしら?」
と疑問に思う方が出てくるかもしれません。

ですが、上記に書いた通りに、最初が一番肝心なのです。
考えなくてもそのような動きができるように、脳の中の無意識的に動かせるようになる部分へ
その能力を格納できるようになってから
難しい曲にトライしたら、いくらでもできます。
年齢が小さいのに、難し(そうに)見える曲、早く指を動かすような曲を弾いてる様は
確かに目を引きますし、褒められやすかったりします。(特に、ピアノに詳しくない方ならなおさら
早く指を動かす曲をガチャガチャ弾いていても、それをすごい!と思ってくれる場合が多々ありますから。。)
が、その曲だけ、その時だけ、弾いていても、頭打ちが来てしまうことになります。
曲芸では意味がないと思うんです。
たとえ、1音であっても、ものすごく感動的な響きで弾けて、空気を通してその音を
人の耳に届けた方が、ガチャガチャ弾くよりも芸術的なんじゃないでしょうか。。
もちろん、小さい人でも才能が豊かで、弾けてしまう方もいらっしゃるかと思います。
そういう人にはもちろん、弾かないように、などとは思いませんが、手の大きさからして
無理がある曲をわざわざ弾くのは、弊害も多いと思うのです。

こればかりは、ご本人の性格にもよりますし、1音づつをじっくり頑張るのが
苦痛な子もいたりしますから、臨機応変に、弾きたい気持ちを優先して
そのお子様が正しい奏法だと綺麗な音で楽に弾けるようになるんだよ、、という事の説明を
聞く耳ができて、自分でもトライしようという気持ちが湧いてきた頃に
徐々に、サブリミナル効果のように洗脳するかのように(^^;)レッスンの中に
入れてやったりもしています。

でも、発表会など、ちょっと挑戦するくらいの曲を選ぶ場合には
大好きな難しい曲にトライしてもらってもいいと思っています。

リース緑


次に、譜面を正しく読み取れる、知識、そしてイメージ力と感性を
なぜなら。。。

譜を読むのが早い遅い、人には色々あります。
が、譜読みが遅いと、次第に譜読みが苦痛になってきて
様々な曲へトライする気力と楽しさがわからずに、ピアノを続けないことになります。

譜面を読むのを早くするには、音符を覚えることもですが
横の流れを形で捉えて、鍵盤と連動させて捉えて
手を動かせるようにすることが必要です。

そして、調性を覚える。
移調もしてみたり。
同じ形を探してみたり。
つまり、楽譜を分析しつつ全体を把握するように考える。

こういう事は、ペースメソッドを元に教えていっています。

レッスンで、みつ玉カードを使ったり、高い真ん中低い、、などとやってますのは
ゆくゆく、こう言った内容を理解するための、最初の部品のようなものです。

これも、「一体、こんな事やっていて、ピアノ弾けるようになるのかな?!」と
お母様が思われる事が多いそうです。
なぜか、という事を分かってもらえれば、納得いただけるかもしれませんね。

そして、譜面からの情報で、曲のイメージを捉えてどのような音が良いか考えて弾く。
ただただ、音符が「ど」だから、「ど」の場所の鍵盤を弾く。。。。
ということだけでなく
どんな「ど」の音を鳴らそうかな?コワ〜イ「ど」?
カリッとした「ど」?
それとも、ほんわかと、あったかい感じの「ど」?
などと、考えて、そのような音を鳴らそうと行動して
そして、実際に鳴った音はどんな響かな。。と聴いて感じて考える。

もし、そんな「ど」を弾きたかったら、じゃあ、腕はどうしたらいいかな
指はキュッとしたほうが良いかな?はたまたクッションの面で弾いたほうが良いかな?
と、正しい奏法を使って、色々と音が出せたら。。


そこまでのことを総合的に身につけて最終的には
ショパンやベートーベンやモーツァルト、シューマン、シューベルト、リスト、ラヴェル、ドビュッシー。。
そうそうたる素晴らしい作曲家の曲を、自分の力で読み取り、弾ける事

が最終目標かなと思っています。

もちろん、芸術に完成はありませんから(^^)
最終目標だなんて、言うようなもんではないとは思います。



京都市左京区のピアノ教室Clair Sonorite
2016.03.03 Thu l 理念 l top