
1874年生まれのジョセフ レヴィーン氏の著書です。
少し本から抜粋して紹介。。
12歳でサフォノフ教授に認められ、モスクワ音楽院に入学。
14歳の頃ラフマニノフ、スクリャービンというそうそうたる年上のライバルを尻目に
アントンルビンシュタインから自分の後継者とまで激賞されたという。
1892年、ラフマニノフ、スクリャービンなどと共に栄誉ある金メダルで卒業。
ロシアでは革命が怒り、西欧はユダヤ人にとって住みにくい所となっていったために
アメリカへ渡ることになる。
1924年にはレヴィーン夫妻により、ジュリアード音楽院を設立。
1944年にジョセフレヴィーンがこの世を去り、その後妻ロジーナが守り継いだ。
記念すべきロシアでの第一回チャイコフスキーコンクールで優勝した
ヴァンクライバーンを育てあげたのは、そのロジーナ先生であった。
中村紘子さんが、日本訳のこの本の前書きを書かれていて
それによると、中村紘子さんが18歳の時にジュリアードに留学して
このレヴィーン夫人(ロジーナレヴィーン先生)に
めぐりあったそうで。本当に幸運だった。と書いてあります。(その時点で83歳だったそうです)
この本はアメリカの音楽雑誌「エチュード」に連載されたものを
1924年に単行本として発売されたものだそうです。
いったい何年まえ?!
今現在これを書いてるのは2015年。91年前ですね。
書いてある事によると、この当時のピアニストはツェルニー式の指を鍵盤に
直角に叩くタッチを用いていたので、ジョセフレヴィーン氏が現代のピアノに適した
伸ばし気味の指でひくタッチを紹介した時は、皆おどろいて右往左往したという。。
でも、日本のちょっと前、もしくは今でも、この状態って同じですよね。
日本は戦争の前にクラシック音楽が入ってきていたけれど
戦時中や戦争で負けた後など、その時代の主流になった情報などが何年も
入ってこなかったために、古い入ってきた時のやり方が温存されたんでは?という意見を聴いた事があります。
この本は、まだ今も売ってます。
とてもおすすめです!!
91年も前にアメリカでレヴィーン氏が、書いた内容が、全く古くなく
ピアノを学ぶものや教えるものにとって普遍的な悩みや通る過ちなど
辛辣に愛をもって書かれてます。(ピアノの生徒あるある、が満載です(笑)当てはまって、心痛くなったり(笑))
奏法についても、まさにロシアン奏法の事を書いてられます。
古いどころか、むしろ、その奏法がまだ浸透してない日本には、本当に必要な情報です。
こちら(アマゾン)でもまだ売っていました。↑↑
私は、この本を紹介していただいたのは、ロシアン奏法の方ではなく
実は、ペースメソッドの研修会の時だったのです!!
ペースメソッドというのは、アメリカ発祥です。
ロバートペース博士が作られました。(ペースメソッドについては、また別ページにて)
私はペースメソッドは、以前ジャズピアノを師事していた西村先生からのお誘いで
参加し始めたのですが、音楽理論をわかっていなければ教えられないものですし
即興や全調最初から学ぶ方法や、小さい子へのリトミック的なアプローチや
想像力を膨らませて体感させる方法など、こんな教え方もあるのかと
驚きながらも、自分の勉強にもなるからと参加していました。
でも、ロシアと、アメリカと、違いすぎるし、どう折り合いつけられるんだろう。。。と
悩んだこと数年だったのですが(笑)
このレヴィーン氏の本は、ペース先生が進めている本だとかで。
読んでみると、自分が求めてる弾き方の事が書いてある。え〜?!と思って。
そこで、ペースメソッドを続けてみよう、と思った記憶があります。
後から知ったのですが、ペース先生は、このレヴィーン氏に師事されていたそうです。
つまり、ペース先生ご自身の演奏方法は、おそらくロシアン奏法だったんでしょう。
愛読書です!
京都市左京区のピアノ教室Clair Sonorite