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昨日、こちらのコンサートを聴きに、いずみホールへ行ってきました。

前々日くらいに、急遽シフの強い要望でシューベルトソナタ18番が追加されると発表がありました。
そのために、シューベルトソナタ18.20.21を演奏される事に♪

出てこられて、舞台に少し背を向け気味の角度に置かれたベーゼンドルファーに座られて、ふと鳴らした瞬間から、その音色の世界に吸い寄せられてしまいました!

完璧なテクニックと、曲の細部まで知り尽くし理解し尽くして、あたかもご自身が作った曲を紹介してくださってるような、、シューベルトと同化してられるような、、。
なるほど、これがシューベルトなのか、シューベルトの気持ちなのかと腑に落ちました。
シューベルトらしい、ともすれば唐突に思えるような、めくるめく和声の変化があったりしますけど、それが全て納得いく自然な変化として音色の違いで表現されて。。
全ての音に、トゲや荒さがない美しい曲線で繋がっていて。
こんな演奏ってできるものなのでしょうか。
シフは、多分私たちと同じ人間ではない超越した人類なんではと思ったり(^^;)

会場に降り注ぐ音色は、イオン含んでそうなミストのような、自然界を感じるような音に感じました。
ピアノを弾いてますよ、という音ではないです。
私は、シフのマスタークラスの動画をyoutubeでみる、という趣味があります(笑)
その時にも良く生徒さんにピアノ弾くみたいに弾かない!というようなことをおっしゃってます。
ツェルニーチックに弾かない、みたいな。
シューベルトの曲は、スケールをひたすら弾くような音型が出てきます。
でも、それをハノンやツェルニーを弾くかのごとくピアノを弾かない、という意味もありますし、ピアノというよりも他の楽器や声を想像できる音型やフレーズはそれを想像して、聴いて彷彿とするように弾かねばならないって感じでの意味でもあります。
まさにシフはご自身の演奏でそれをされていて。
本当、完璧です。

今回のコンサートは、曲が足されて長くなってるのですが、さらにアンコール4曲!
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観客の盛り上がりもすごくて、聴く姿勢もなんだかすごかった。
それもあって、シフもとても満足そうで、どんどんアンコール弾いてあげようという感じになったのかもです。
そのどれもが素敵で(;;)

歳を重ねられた成熟と達観と、体力気力がまだまだのってる若さとテクニック、全てがバッチリなある意味旬な時期の演奏を聴けてるのかも?!と思いました。
お彼岸の仕事が終わって、着の身着のままで電車に飛び乗って行った甲斐がありました!!

長時間で、、3時間(笑)
休憩は15分のみ。お客さんの方が体力気力が必要だったかも。
でも、一瞬みたいな濃密な時間でした。

素晴らしいコンサートにまた出会えたこと、一生の宝物です。

シフは、人類の宝物です(笑)
2017.03.18 Sat l ピアニストさん達 l top